教育長の挨拶

 兼ねてより計画しておりました、伊平屋村教育委員会のホームページがこのほどオープンできる運びとなりました。

 伊平屋村教育委員会の施策に関する情報を、村民は元より、広く県内外に発信できる喜びは、村民共々に喜びたいと考えております。
常々考えていることですが、グローバルな現代社会の中で、離島僻地だからリスクは当 然であると言う考え方ではなく、逆転の発想でリスクをチャンスと捉える「人材育成」を 模索しているところであります。
つまり、小さな島から、世界に雄飛できるダイナミックな人材育成が、今、必要であります。
その為には、教育委員会事務局を初め、村民相互が「知恵を出し・汗をかき」世界を見つめる取組が必然であります。

 ところで、本村教育委員会の施策は「学校教育」「社会教育」「文化財の保守整理」の三本柱をしっかりと、地に足をつけた地道な取組の日常化を目指しております。
学校教育では、教職員の指導力向上及び指導技術のスキルアップを図るべく、ライフスキル研修を終日3日と、村内三校合同研修(授業研究)を年間3回実施しております。その他に、年度当初に特別支援教育研修、教職員の現職研修、教育長講話等の講演会を実施しております。

 本村は、高等学校がないため、子供たちは15歳で島を離れその後は殆ど成人して島に戻ることのない現実であります。そのために、生涯、どこの地でも逞しく生きていける人材を育成しなければなりません。都会の子に劣る学習環境を改善して、確かな学力を身に付けさせるべき方策として、全中学生を対象に村塾(てるしの塾)を年間を通して週3日開設しました。塾の講師は、指導実績の高い那覇地区から要請しております。
講師は、2日間午前中は、学習支援員として学校現場に配置しております。

 夏休み期間中には、東京大学の学生6名を要請して「東大塾」を10日間開設しております。対象は、小学校6年生から全中学生を全員参加で受講させております。
さらに、英語学習の向上を図る視点から、英語キャンプを、自由参加として、3日間実施しております。講師は、本村の英語講師を中心に、那覇や名護市から2名要請しておりますが、子供たちからは好評です。
大きな目玉として、中学生対象のアメリカへの短期留学(3週間)は、3名派遣しております。派遣された生徒は、12月開催の村学力向上推進発表会で、プレゼンテーションが義務づけられております。
また、「世界一のおもてなし」を習得しながら、人間としてどのような仕事でも誇りを持って取組、社会貢献できる人材育成を目指し、東京ディズニーランド研修を実施しております。対象は、小学校6年生から中学生全員です。

 他には、地域の人材を活用した「夏休み子ども教室」も開催しております。対象は、全小学校・中学校生ですが、固定的な教室ではなく、子供たちの興味関心を引きだたせる内容にしています。料理教室は、畑から野菜等の育て方及び収穫へと連動学習です。文化財探検は、調査した内容を壁新聞に仕上げて確認します。音楽教室は、歌詞をつくり曲をつける学びをします。夏休みの貴重な体験学習の場にしています。

 社会教育の視点では、地域と密着した活動を毎月第3水曜日を「伝統文化活動日」に設定して、5集落の公民館での活動になります。地域人材を講師にして特色ある活動となっています。三味線や舞踊から物づくり等幅広く展開しています。合わせて、弁当の日にしています。島発ち後の生活に困ること無く食事が作れるよう親子の日として定着しています。
また、健康作り推進及び基本的生活習慣の確立を目指して、毎週月火は小学4年生以上の集団登校を推進しています。また、朝のあいさつ運動を各集落の老人会の協力を得て、さらに充実させたいと思います。
さらに、各学校の図書館教育と連動した、親子読み聞かせ活動を各集落の公民館で休日に実施していますが、日常化に向けてさらなる努力支援を考えております。

 社会体育の視点では、村体育協会(事務局は教育委員会内)と連動して、各種球技大会や村陸上競技大会の実施をしています。特に、陸上競技大会は、各集落対抗とし、老若の種目を設定し、合わせて、応援参加人数も得点化して総合優勝に貢献できるようにしています。停滞していた大会が確実に活性化されています。
また、離島のハンディを克服すべく、小中学生の島外派遣費を設置して支援をしていま す。
一方、本村は、沖縄県でも有数の神の島と言われております。島の地形からくる独特の景観は、まさに、万の神々が宿るイメージを醸しだし、島を訪れる人々が「癒やし」を体感出来ると言われるゆえんでしょう。

 さて、去る2016年3月1日付けで、樹齢300余年の「念頭平松」が、国指定天然記念物として文部科学省より指定を受けました。また、天照大神伝説のある「天岩戸」は、史実としての存在を示しており、沖縄県護国寺主催で、去る2016年8月12日に、天岩戸開きを県立武道館で開催しております。早急に、しっかりとした資料収集及び整理をしたいと思います。

 文化財の保守整理の一環として、コンサル会社の皆様や埋蔵文化財及び民族文化学者の皆様のご指導ご協力を頂き、 2カ年にわたり悉皆調査を実施しました。その結果、新たな「グスク」や、見張り台の目安となる「遠目番」の発見を得ることができました。今後もさらなる、過去へのロマンを追求したいと思います。
また、本村には、古琉球王朝につながる「屋蔵大主の墓があります。その屋蔵大主の屋敷跡は地形上どこに位置するのかを調査しているところでありますが、屋蔵の文字からも読み取れるように、穀物類の保管のために創設された「八つの高倉敷地」が調査のキーワードになりそうです。

 結びに、琉球列島の中でも、島の成り立ちは最も古いと言われ、学術的にも未開拓な部分が多く残る本村の未来へ羽ばたく若者と、学び続ける大人との融合した「癒やし」の住みよい村づくりを創造すべき、確かな人材育成を目指して今後もより一層の努力を続ける決意であります。

教育長

東恩納 吉一